ペンタックスの経営強化策、本社の土地・建物売却へ
ペンタックスが11日に発表する経営強化策の概要が10日、明らかになった。
東京都板橋区の本社の土地と建物を売却し、大半の機能を埼玉県と栃木県の事業所に移す。約120億円の売却益は財務体質の強化に充てる方針だ。カメラ、医療機器、光学部品の3事業に経営資源を集約する一方、プリンターなど不採算事業から撤退し、本業のもうけを示す営業利益を2007年3月期の約60億円(見込み)から、10年3月期に約100億円に引き上げる。
ペンタックスは、光学ガラス大手のHOYAが検討している自社に対する株式公開買い付け(TOB)には慎重な構えで、今回の強化策により単独での生き残りを探る。
ペンタックスが売却するのは、本社や隣接する研究開発施設の土地約1万平方メートルと建物。研究開発施設は、07年度中に大手不動産会社などに売却する計画で、一部の研究部門を除いて栃木県益子町の事業所に集約する。本社の土地にも3年以内をめどに入札を行い、売却先を決める。
事業面では、不採算のプリンターや測量機器事業からの撤退や、医療関係の総合研究所(埼玉県)の廃止、米国販売子会社の一部売却などを盛り込む方針だ。
ただ、従業員の削減などのリストラは行わず、カメラ、医療機器、光学部品の3事業に人員や投資を集約する。
(2007年5月10日11時5分 読売新聞)
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