国民年金保険料の納付率、低下に拍車
年金記録問題の余波で国民年金保険料の納付率が一段と低下する懸念が強まってきた。加入者の相談に対応したり年金記録のミスを正したりするのに大量の職員が必要で、保険料徴収業務が滞り始めているため。社会保険庁は今年度から滞納者の資産差し押さえを強化する計画だったが、その実施も困難な状況。目標である80%の納付率は遠のき、年金制度の空洞化が加速している格好だ。
社保庁は8日、年金記録の確認を促すビラ配りに3700人を動員した。相談体制強化に伴い各地で臨時窓口を設けており、対応するスタッフの増員も必要。対象者不定の約5000万件の年金記録と紙などの原本を一つひとつ突き合わせ、生年月日などの誤りを正す作業も人海戦術。社保庁の正規職員は1万7000人。同庁幹部は「とても既存人員では間に合わず約1500人の保険料徴収業務の人員も振り向けざるをえない」と言う。
(NIKKEI NET)
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