遺族の依頼を受け、約3時間かけて遺体の防腐処置や消毒を施し、化粧をして届ける「エンバーミング」。米国の南北戦争で遺体の長期保存の必要から広まったとされる。日本でも徐々に知られるようになり、日本遺体衛生保全協会によると、昨年は約1万6450体に施された。約70人いる日本人従事者の第一人者。著書「エンバーマー」(祥伝社刊)を出版した。
どうせ火葬するのにと言われる。でも、元気なころの面影を取り戻した故人とゆっくり対面してもらい、少しでも遺族の心を和らげたいと願う。05年のJR福知山線事故(兵庫県)では教え子らと被害者の修復にあたった。
小学生のころから家業の葬祭業を手伝い、病院で父と遺体を運んだ。「後継ぎ」に反発して、イベント会社「ぴあ」に就職。スピッツらアーティストの発掘に携わったが「本当に自分のやりたい仕事なのか」と疑問を感じていた。
27歳の時、反発したはずの父から米国の遺体修復という仕事があると教えられた。「別れの間も慌ただしい日本の葬儀を変えたい」と渡米。大学で専門教育を受け、エンバーマーライセンスを取得して01年、帰国した。
正しいエンバーミングの普及に努めるとともに、遺族の心をサポートする方法を医療・葬儀従事者に伝えている。「悲しみは消えない。ただ、寄り添い続けることで、死に折り合いをつけてもらうことはできる」
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このようなお仕事は、なにかの信念がなければきっと続けられないと思います。
痛んだ遺体とのお仕事なら 目を覆いたくなる状況は多いはずですから。
残されたご家族も感謝されていると思います。
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